おばあちゃんと女子高生と妙齢のわたし

 

「赤の他人」に親切にしてもらった経験、あるでしょうか？

 

日曜日の昨日夕方、某定食屋さんにて。
名古屋市は栄の地下1階にあるそのお店、割と長い階段を降り、店内に入ります。

私がお店に入ろうとするまさにその時、階段の手すりを持ちながら
階段を降りていかれようとするおばあちゃまに遭遇。

大丈夫か、手を貸そうか、抜き去るのもな、むむむ…と、逡巡。

私に気づいたおばあちゃま、「事故して、足が悪いものでねえ～」「お先にどうぞ、」と。

うちの祖母にはもちろんがっつり肩を貸していたものの
名古屋市は繁華街栄
知らないおばあちゃん、がつっと触れるのも憚られる、、、。

（うむむ…ごめんよ…）

心の中で呟きながら、先に、階段を降りました。

店内は毎度のごった返しで、ほぼ満席状態。

店員さんにカウンターのコーナーを勧められ、着座し
メニューを待っていたところ。おばあちゃん入店の様子。

スペース50～60名くらい？で夕飯時のガヤガヤです。

おばあちゃん、店員さんの説明で、少し、待たれますか？と言われている様子。
（カウンターのお席が他に空いていたものの、少々窮屈そうなお席）

ああ、これはいかん、私はおばあちゃまのお席を奪ってしまったなあと思い立ち
おばあちゃまにお声をかけました。

私「すみません、あちらのお席、使われてください。」

婦人「あら、いいの？お食事は終わられたの？」

私「いえ、でも、どうぞ。階段ですれ違った者です」

婦人「まあ、まだお食事終わられていないのね。」
「座っていたところをわざわざ立ってお声かけ下さったの？」
「親切なお方ね。」

私「いえ、どうぞ」（こういうとき、私は照れくさくて、ちょっとクール）

おばあちゃまはいたく喜ばれていました。

私はというと、窮屈かもしれませんが、と通されたカウンターに着席。
おばあちゃまからひとりを挟んだ横並び。

着席されたおばあちゃまはというと、オーダーもそこそこに、
「親切な方が…」とまずは店員さんに、事の経緯をご説明。

（あっ、説明されているなあ（照））

しばらくして
おばあちゃまの向かいに可愛らしい女子高生（女子大生？）二人が着席。

おばあちゃま、タイミングを見て話しかける。
暫しの会話。
すると最後には、お二人にも、「あちらの方が…」と他己紹介、説明をしてくれている。

私といえば、照れくさいやらで、そわそわ。
（会話の中に入っていくでもなく、でも他己紹介が耳には入るので、落ち着かない…）

 

ここで思い出した、1ヶ月ほど前中華料理屋さんでのこと。

平日、金曜日の夕方、ここでは40代から50代前半くらいのご婦人お二人、カウンターでお食事中。

担々麺が有名なこちら、私がいつも頼むのは
セットで「涎鶏（よだれどり）」。（蒸し鶏にゴマと黒酢、スパイスが効いた美味しい一品）

カウンター越しに涎鶏が差し出された瞬間、
「あれ、なんだろう、美味しそう」と密やかに注目を浴びました。

控えめな視線とお喋りが耳に入り、
「良かったら召し上がりますか？」と、お声かけ。

それに対してやっぱりいたく喜ばれて、

「まあ、いいの？ありがとう！！できた子ねえ～」「よく来るの？」「お仕事中かしら？」
「ほかにもおすすめある？」「私達これから飲みに行くの、一緒にどう？？」と、

たくさんほめて頂き、たくさんお話して下さいました。

おじいちゃん、おばあちゃん、妊婦さんなんかは声をかけられることがあっても
自分より少しだけ上、下の方に声をかける（かけられる）ということは
普段あまり、ないかもですね。
（声、かけられたことがないです）

 

 

先の定食屋のおばあちゃんはというと、女子高生（か、女子大生）ふたりと
お洋服のお話をされていた。
（先の店員さんはえらく忙しそうだったし、女の子は二人で喋りたいことが山ほどあるのだろうが
そこはおばあちゃんの、ご愛敬）

私はそそくさと夕食を終え
おばあちゃんに、「お母さん、ごゆっくりね」と声をかけました。

同時に女子高生ふたりとも目が合うものだから、

私から声をかけることもできず、

（に、にっこり）（軽い会釈）で
そこそこに、定食屋を後にするのでした。

おばあちゃんが繋ぐ女子高生と妙齢のわたしとの縁！

 

中華やのご婦人お二人も、定食屋のおばあちゃんも、
扉を出るところではやっぱり目が合うので（きちんと見送ってくれる）
そこでは、最大の笑顔で大きく、手を振るようにしています。

なんとなく、その時のお三名の笑顔を覚えています。

独りごはんに慣れていますが、たまにこういうことがあると、ほっこり。

写真は昔の先輩のおばあちゃま。
息子さんの写真を撮りにお邪魔した際、いい笑顔を見せてくれた際の一枚。
幸せになる笑顔。